生成AIっていう言葉、最近ときどき聞きませんか? 職場で上司から「生成AI使って何か新しいサービスできないかな?」って言われたり、大学のレポートで「生成AIを使うのは禁止だ」って言われたり。
でも、なんとなく「生成AI」って言葉使ってるけど、実はちゃんとわかってないって人もいるんじゃないでしょうか? この記事では、「『生成AI』の『生成』ってなんだろう?」とか、「生成AIってなにができるんだっけ?」といった疑問にお答えします!
生成AIってなに?なにができるの?
生成AI
生成AIとは、入力されたテキスト(文章)や画像などのデータを元に、画像や文章、音声といったコンテンツを自動的に生成するAIのことです。例えば、「富士山の絵を書いてほしい」というテキストデータから、「富士山の描かれた画像」という画像コンテンツを生成する、というものです。
AI
AIとは人工知能(Artificial Intelligence)のことです。人工知能の明確・厳密な定義はありませんが、「まるで人間のような知能・知性を持った人工的に作られたもの」のことです。平たくいうと、ドラえもんみたいなもののことです。生成AIは、このAIの一種です。明確・厳密な定義がないのは、「知能・知性」とは何か、をはっきり説明することが難しいためです。
生成AI以外のAI
AIには生成AI以外のものもあります。その代表例が認識AIです。認識AIとは、画像や音声、文章などがどんなものなのかを認識するためのAIです。例えば、顔認識は認識AIの一種で、iPhoneのFaceIDでは、カメラに映った人の画像から、そのiPhoneの持ち主かどうかを認識します。生成AIを利用する際にも、最初に生成AIにどんなものを生成してほしいか指示を行うため、その指示の内容を解釈するために認識AIが使われています。
生成AIサービスの例
世の中にはさまざまなタイプの生成AIサービスがあります。無料で使えるものもたくさんあります。以下のものが、生成AIサービスの代表例です。
サービス名 | なにを生成する/なにができる |
ChatGPT | テキスト 質問すると回答のテキストで出力してくれる |
Stable Diffusion | 画像 テキストで指示した画像を生成できる |
VALL-E | 音声合成 初めに人の声を入力すると、その人の声でテキストを読み上げてくれる |
生成AIってどうやって使うの?
基本的な考え方
まず初めに、生成AIの使い方は利用する生成AIサービスごとに違います。ただし、基本的な考え方は共通しています。それは生成AIに対して「なにを生成してほしいのか?」という生成AIの指示や、「生成するためのベースとなるデータ」の入力をする必要がある、ということです。そうすると、生成AIが入力データや指示をもとにコンテンツを生成してくれます。
ChatGPTの基本的な使い方
そこで、ここでは代表的な生成AIサービスの一つであるChatGPTの基本的な使い方を箇条書きレベルで紹介したいと思います。
- ChatGPTのWEBサイトにアクセスする
- WEBサイトの指示にしたがってアカウントを作成する
- チャットボックスにChatGPTへの質問や指示を入力する
- ChatGPTが質問や指示への回答を生成してくれる
生成AIってどうやって動いてるの?
ディープラーニング
現代の生成AIは、機械学習という技術によって作られています。特に機械学習の一種であるニューラルネットワークをより複雑化したディープラーニング(深層学習)と呼ばれるテクノロジーです。ディープラーニングというテクノロジーで、生成AIというアプリケーションができている、ということです。ディープラーニングには、学習プロセスと推論プロセスがあります。通常、生成AIを使う人は、推論プロセスを実行することになります。学習プロセスは、生成AIを作る人がやってくれているので、使うだけの人は気にする必要はありません。
学習プロセス
大量の学習用データ(データセット、ビッグデータ)から、データの特徴を学習するプロセスです。例えば、動物の画像とその動物の名前がセットになったデータ(『犬』というファイル名の『犬の画像』など)をもとに、この画像はこの動物、ということを学習する、ということです。学習プロセスは、AIサービスを提供しているところが事前に実施してくれているので、AI利用者が学習プロセスを実行することは通常ありません。
推論プロセス
未知のデータを学習済みのAIに入力して、そのデータが何なのか?を推論するプロセスです。例えば、「なにが写っているかわからない画像」を動物の画像を学習済みのAIに入力して、その画像にはどんな動物が写っているのか?あるいは写っていないのか?を識別する、というようなことです。AI利用者はこの推論プロセスを実施している、ということになります。
生成AIで気をつけることは?
内容の正しさ
生成AIはかならず正しい情報、期待したコンテンツを生成してくれるわけではありません。生成AIは間違ってしまうことがあるということであり、これをハルシネーションといいます。誤りの程度はバラバラで、まったく的外れなこともあれば、ちょっとだけおかしいということもあります。例えば、「質問に対して間違ったことを回答する」とか、「指示した内容とはまったく異なる画像を生成する」といった可能性があるということです。なお、ハルシネーションとは「幻覚」という意味の英語です。まるでAIが幻覚を見て内容を生成しているかのようなので、このように呼ばれます。
倫理面の配慮
生成AIが社会にあたえる影響は大きく、利用も簡単です。すべての利用者が善意で利用しているかどうかはわかりません。そのため、生成AIが悪用されてしまうリスクがあります。
例えば、ディープフェイクと呼ばれる、一見正しそうに見えるウソの情報や、本物のように見えるニセモノの画像を簡単に作り出すことができます。
生成AIを利用する場合には、個人のプライバシーを侵害していないか、誤解をあたえないかといったことに注意する必要があります。
著作権の侵害
生成AIは既存の著作物に類似したコンテンツを生成してしまうことがあります。そうすると、意図せず他のクリエイターの著作権を侵害してしまう可能性があります。
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